
テレクラにおいては「出会いを求めるユーザー」と「テレフォンセックスを楽しみたいユーザー」というものがしっかりと峻別されている傾向があります。
「出会い」に特化したテレクラ、「テレフォンセックス」に特化したテレクラ、というそれぞれの専門チャンネルがあることからも明らかなように、近年のテレクラは「出会い」と「テレフォンセックス」の住み分けがしっかりとなされていて、それがますます進行している、という現状があるのは確かでしょう。
しかし、あまりに細分化されすぎて分業化されていることによって、現在のテレクラは「出会い」と「テレフォンセックス」の融合地点ともいえるようなユニークな場所から、やや遠ざかっているともいえます。
個室テレクラ時代の話になってしまい申し訳ないのですが、かつての個室テレクラでは、「出会い」と「テレフォンセックス」というものが現在のような断層を持たずに、グラデーションを描くように同居している、というのが基本でした。
ですから、当時のテレクラでは、出会い目的の男性がテレフォンセックスの女性と繋がる、あるいは逆に、テレフォンセックスがしたい男性が出会い目的の女性と繋がる、というような「ミスマッチ」がザラにありました。
そんなときに、「ミスマッチ」を「マッチング」へと強引に変えていく、ということが、テレクラ遊びの楽しみ方のひとつでした。
効率化からこぼれおちるテレクラの本質
濃厚なテレフォンセックスからのアポの交渉を成功させたり、出会い目的の女性をテレフォンセックスに巻き込むことによってテレセ目的の女性とは違う快楽の空間を立ち上げたりと、臨機応援に自らのプレイスタイルを変更しながら女性を攻略していく。
それらの打開案や創意工夫は、おのれのテレクラテクニックを磨くことにも繋がり、そこで得た経験は、目的が同じ男女同士のスムーズな交渉の際にも役立つことになりました。
現在のテレクラの、性癖やジャンルごとに番組が選べるというシステムや、相手のことをあらかじめ知ってからツーショットが開始できるプロフィールツーショットなどの機能は、たしかに非常に便利なものです。
ですが、利便性が強く効率的すぎるものによってこぼれ落ちてしまう「味わい」というものがあるのも確かなのです。
無店舗型テレクラ全盛期の現在においても、そのような、ジャンルが溶け合っているような回線はまだまだありますし、プロフィールツーショットを使わずにランダム性に身を委ねるというような遊び方は可能です。
時々「不便さ」のなかでテレクラ遊びをあえて選ぶことによって、テレクラの思いがけない面白さ、というものが体験できるかもしれません。